先月1年ぶりに東京に出張しました。
遠ざかっていた原因はもちろんコロナウイルスですが、東京に出ていってコロナに感染することを恐れてというよりも、無理に動いても受注を取れる状況ではなかったので今は普段あまり手をつけられない別のことに注力しよう、というのが主な理由でした。
元々は月に2回くらいのペースで東京に出ていたのが1ヶ月、2ヶ月と間があいて、気がついたら1年経っていたという感じです。
そして1年ぶりの東京。
まず最初に当社が立ち上がってから21年間ずっとお世話になっている客先に伺いました。
その客先の中でも私がド素人だったころから色々と教えていただいているメンバーにお会いして色々と話してみて改めて感じました。
めっちゃ楽しい。
もちろん普段から電話などでやり取りしている相手です。
けれどもやっぱり直接会って話をすると話題の広がり方がぜんぜん違うし、しゃべっている最中から次の話のネタをどんどん思いつく。
仕事の話とプライベートの話をごちゃ混ぜにしながら好きなようにしゃべっているあの雰囲気が楽しくて仕方がない。
友達と会って話すのとはまた違う、ビジネスとして共通の目的を持ちながらそれ以外の雑談にも花を咲かせるあの雰囲気。
「この感じすっかり忘れとったなぁ」
としみじみ思いました。そして、
「仕事って楽しいもんやなぁ」
と改めて実感しました。
社内にこもって機械をいじったり糸を作ったりしているのももちろん楽しい。
けれど、誰かとあーだこーだ話しながら次に作る糸のことを頭の中で組み立てていくこともまたモノづくりやな~ということをその時に思いました。
2時間ほどのミーティングのうち、ヘタしたら1時間以上は雑談でした。
でもその雑談の最中も、会話の中に一瞬だけ出てきたキーワードを元に頭の中で糸の設計が進んでいきます。
そういうライブ感みたいなのをものすごく思い出しました。
たとえば相手が
「最近はペールトーンのメランジが気になってる」
と言った瞬間、頭の中では
「あの商材のあの色とこの商材のこの色を組み合わせたらそんなのが出来るな」
と思うし、
「なんだかんだ言っても綺麗なコットン素材はいつでも欲しくなるよね」
と言われたら
「以前に作ったあの商品をちょっと細番手にアレンジしてみようかな」
などと考えます。
そうやって考えつつ相手の別の話を興味深く聞きながらも、自分が次に話したいことをまた考えたりしている。
そして一瞬「このタイミングかな?」というところで相手に質問したり自分の話題を出してみたり、話しながら考えた糸の設計を説明してみたり。
まさにライブ。
私だけかもしれませんが、オンラインミーティングだと微妙に音声のタイミングがズレたり、相手の話し声が聞き取りづらかったりしてなかなかこの一瞬のタイミングを上手く利用できなかったりするんです。
結果的に必要なことだけをやり取りしつつ、なんとなく話が盛り上がっているようにだけ取り繕って終わる、というようなケースがオンラインの場合多いように感じています。
世の中の人たちの多くがオンラインミーティングを上手に使いこなしているんだと思います。
けれども私のような頭の古い人間にはやっぱり対面のミーティングが合っているんやなと改めて感じました。
これからの時期、いよいよ来期に向けての春夏素材のプロモーションも盛んになっていきます。
またいろんな人と会って話して、ライブでモノづくりをしていく感覚を楽しんでいきたいと思います。