意識改革というのはなかなか難しいですね。

先週末、友達と久しぶりに京都市内に出かけました。

コロナ以降ずっと東大阪の町工場にこもっているので、繁華街がどうなっているのか興味がありましたが、やはり人出は少なく以前の京都の雰囲気とは全く違っていて不思議な感覚でした。

行列に並ばないと買えなかった食べ物がすんなり買えたり、バスやタクシーで常に渋滞していた道路がすんなり走れたり、便利で快適な反面これでは経済に深刻なマイナスがあるよなぁと切ない気持ちになりました。

その日はたまたま梅雨の合間の晴天で気温と湿度が高く、30分も歩いていたら汗だくになるような気候でした。

小さな子供たちもいたので熱中症対策も考えてカキ氷を食べようということになり、たまたま以前入ったことのあるお店が近所にあったので、営業しているかどうか電話で聞いてみることにしました。

電話に出たのは男性スタッフで、お店は営業していますとのこと。

私「今から5分後くらいに着きますが、大人4名子供2名で入れますか?」

お店「2名様用の席しかないので3組に分かれてお座りいただきます」

私「分かりました。では向かいますので席を取っておいてもらえますか?」

お店「ご予約はお受けしておりませんので、来られたときに席が埋まっていた場合はお待ちいただくことになります。」

私「分かりました。とりあえず向かいますね」

というようなやり取りをして、子供たちを急かしながらお店に向かいました。

そしてお店に到着したところ、なんてことは無い、20人くらい入れるお店でそのとき居たお客さんは2人だけ。

私たちがお店に入るとすぐに女性のスタッフが「お電話いただいた方ですね?お待ちしてました、奥にどうぞ」といって案内してくれました。

入っていくと既に2名用テーブルを3つくっつけて6人用にしてくれてあり、みんなまとめてすんなり座れました。

なんならその奥に4名がけのソファテーブルも2つあったんですが。。。

結局私たちが入店してからお店を出るまで新たなお客さんも来ず、ソーシャルディスタンスを気にすることもなく快適にカキ氷を楽しむことができました。

私の頭の中で「電話のやり取りなんやったんやろか。。。」というモヤモヤがよぎりましたが、まぁよしとしました。

しかしまたあのお店に行きたいかといわれると、京都の祇園界隈にはカキ氷を出すお店が沢山あるので、わざわざあのお店に行くことはないかなぁと思います。

予約を受けていないとか、席が埋まったら待ってもらうとか、2名用テーブルで3組に分かれてもらうとか、コロナまでは祇園界隈の繁盛店だったという余計なプライドが邪魔をしてしまったのかなと思います。

けれども、もうすでに世の中は激変してしまったんです。

しばらくしたらまた観光客が戻ってくるだろうという見込みで、今まで運用していたルールを変えないように気をつけているというのなら分からなくもないです。

けれども、私たちが着いたときには既に別のスタッフがテーブルを用意してくれていたので、ルールを厳密に遵守しているのではなくスタッフごとの判断で対応を替えているんだろうと思います。

ならばあの電話対応はよろしくない。

あくまでも私個人の認識ですが、京都のお店はわりと高飛車に構えているもんなので、京都に遊びに行くときはそれを覚悟で行かなければだめだと思っています。

それでもあの対応はまずいと思います。

ここで勘違いして欲しくないのは、私がお店の不遜な対応に不満があってそれをここでうさ晴らししたいというわけではありません。

会社を経営している立場として当社のスタッフが客先にこのような対応をした場合を想像して、自戒の気持ちでこの文章を書いています。

繁忙期にサンプルオーダーをもらったりすると、今はすぐ出来ませんとか、納期がすぐ返答できない旨をお伝えしなければいけない場合があります。

それでも、出来る限り早い対応をする旨をお伝えしなければいけませんし、もちろんきっちりと丁寧な言葉遣いでお伝えしなければいけません。

すなわち、どんな状況であれ頂いたお仕事に対して常に真摯にご対応しなければいけません。

それが今のような状況になったらなおさらで、皆さん大変な時にそれでも当社にご注文いただけるということに、平時にも増して感謝しなければいけないということを言いたいわけです。

当然のことながら、常日頃から頂いた仕事には感謝しなければいけません。

けれども、コロナでの影響で仕事は激減し、当社が世の中に本当に必要な企業かどうか試されているときに声をかけていただけるということは、いつにもまして貴重でありがたいことなんです。

こんなときこそ時間に余裕がある分、普段出来ないサービスを付加するくらいの心意気が必要なんじゃないかと思います。

客先の方がオリジナルの撚り杢を作りたいということなら、3色の試作依頼に対して5色作ってもいいし、リネンのサンプル帳が欲しいということならリネンコットンやリネンシルクの資料もお付けすればいい。

ご迷惑になるようなサービスは駄目ですが、工夫を凝らして今しかできないことをやるべきだと思います。

コロナ禍が始まって以降、私を含めて当社スタッフがいままで以上に真摯に働けているかどうか、祇園での出来事をきっかけに少し考えているところです。

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