「こだわりの~」が苦手です。

今回は言葉のニュアンスの話です。

ものの説明によく「こだわりの~」というのが使われます。

私はこの「こだわり」という言葉があまり好きではありません。

理由はとても簡単で「こだわり」という言葉にネガティブな要素を感じるからです。

執着や固執や拘泥といった、ある種の呪縛から逃れられないイメージです。

たとえば、

「いつまでも過去のことにこだわる」

と書くと分かりやすくなるでしょうか。

辞書で調べても否定的に説明されていることが多いので、言語直感的には間違っていないと思います。

けれども商品の売り文句としては「こだわりの逸品」など、いい意味で使われる場合が多いです。

突き詰められた技術や細部にまで気を配って作ったものというイメージを想起させるからでしょう。

もともとマイナスイメージだったはずの「こだわり」が、何らかの言葉遊びなどを経ていい意味で使われるようになったのかもしれません。

けれども私には相変わらず「こだわり」にマイナスイメージがあるので「そんなにこだわらんと、楽しんでやってくれたらいいんやで」と感じてしまうのです。

私自身が割と凝り性な人間なので、何をやるにもちょっとした工夫を凝らしたり、自分なりのアイデアを足し算するのが好きです。

これについて「何でもこだわる人ですね!」と言われると、「あぁそうじゃないのに、、、面白かったらなんでもいいのに。。。」と思っている自分がいます。

「こだわってるんじゃなくて、楽しんどるんですよ!」と思ってます。

わざわざ「こだわってますね!」と言ってくれる人は良い意味で言ってくれているはずなので、ありがたく受け取ることにしています。

けれども、どうしても私がその言葉に持つイメージがよくないので、何か他の言い方が流行ってくれないものかと思っています。

商品の紹介なら「職人が時間の経つのも忘れて作った」とか「職人の遊び心が詰まった」みたいな方が好きですね。

なんなら「入社1年目の新人が思いつきで作ったら思いのほか良いのが出来ました!」でも何でもいいです。

ちなみに「相変わらずとことん楽しんでますね!」とか言われると私は大いに喜びます。(笑)

ちょっとニュアンスは違いますが「モンドセレクション金賞受賞」とか「プレミアム~」もそろそろ新しいものに取って代わられたほうがいいかも。

こっちは単に使い古された印象があるせいでしょうか。

もうちょっと古いので言うと「カリスマ~」とか。(これはもうほとんど使われていないか。。。)

それ以外に「メイドインジャパン」「日本製」なんかも苦手です。

「日本製」=「良い」と盲目的に信じている人がいまだに多く、色んな商品にこの言葉が使われています。

けれども、少なくとも繊維やアパレルの産業には海外製品に対して優位性のある日本製品の方が少ないと感じています。

もちろん日本で作られている素晴らしいものは沢山あるので、それは日本製とひとくくりにせず他の言葉でその良さを伝えるべきだと思います。

その会社にちゃんと信用があるなら、それこそ「~株式会社 謹製」でいいです。

「おまえ」とか「きみ」というのはもともと目上の人に使う言葉であったけれど、いつしか言葉の価値が下がって別の言葉に取って代わられました。

「こだわりの~」も皆さんもう散々使って言葉の価値も使い減りしたと思うので、そろそろ別の言葉に取って代わられても方がいいんじゃないかな~、と思ってます。

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