新年明けましておめでとうございます。
新しい一年も皆様どうぞよろしくお願い致します。
ということで、毎年元日は一人で出社して今年一年の計というか抱負というか、そういったものをゆっくり考えることにしてます。
今年のテーマは「初心」です。
初心といってもゼロからやり直すようなイメージじゃないです。
最初のやる気をもう一回思い起こすようなイメージですね。
15年以上も前のことですが、糸屋さんになってまだ数年の頃、リネン糸の斜行が止まらないということを知って「ならば自分が勉強して止めてみたい!」と取り組み始めた頃の気持ち。
5年前にTシャツのブランドを始めたときの「うちの素材を使えばめちゃくちゃ良いTシャツが作れるはず!」という気持ちを思い起こして、あらためてチャレンジ精神を奮い立たせようということです。
具体的には糸の商品企画を久しぶりにガッツリやることにします。
素材の組み合わせや後加工など、モノづくりのアイデアを少なくとも年間で500個以上ひねり出すというノルマを設けました。
その取り組みは今日から始まっているので、早速3つ4つ新しいアイデアを書き留めてあります。
日に3つ考えれば1000個は超えるのでノルマ500個はちょっと少ないかもですが、東大阪繊維研究所のほうでも自分に課題を与えているので、糸の方はとりあえず500アイテム考えます。
その東大阪繊維研究所について、
5年間Tシャツブランドとして運営してきましたが今年からはこれまたガッツリTシャツ以外のアイテムを加えていきます。
色んな人たちから「Tシャツブランドを始めたきっかけは?」と聞かれます。
皆さんに同じようにお答えしてますが、実のところきっかけというか理由はいっぱいあって、私自身がTシャツを1年中着ていることや、Tシャツが素材の良し悪しが思いっきり製品に反映するアイテムだということ。
うちが得意とする高級な素材を製品にするには、シンプルな作りのものじゃないと高価格になりすぎることなど、Tシャツというアウトプットを選んだ理由は様々です。
その中でも先に書いた「うちにはこんなにいい素材があるんだから、これで作ったTシャツは絶対良いものになるはず!」という動機はかなり重要でした。
それから5年経って「うちはこんなに良いTシャツが作れるようになったんだから、その経験があればポロシャツとかカーディガンとかもめちゃくちゃ良いのが作れるはず!」という気持ちになったわけです。
つまり5年前にブランドを始めた頃の「初心」に近い気持ちになったわけです。
複雑なモノを作ると高価格になりすぎるということについては相変わらず悩みどころですが、そこはもう「ボッタクリで高い値段をつけてるんじゃなくて、真っ当な仕事をしたらこうなるんだから仕方が無い」と割り切ることにしました。
うちは都会に店舗を構えているわけでもなく、普段の商品写真も社員たちが撮影してたり、ウェブサイトも自作だったりと付帯的な経費を出来るだけ抑えて運営してます。
そのせいでブランドの見え方が素人っぽかったりするデメリットはありますが、その分商品を真っ当な価格で出せていると自負しています。
真っ当なという点について、プロモーションにお金をかけるのも真っ当なことだという意見があるのは当然分かります。
なので、私のいう「真っ当」はあくまでも私の考える「真っ当」なので、それに共感が得られないのであれば申し方が無いと思っています。
私の真っ当は「一切手抜きせずにモノを作り、虚飾を廃してモノの良さを伝える」という感じです。
単にあんまり栽培されていない素材というだけのモノを「世界で数パーセントしか採れない~」とか、ただ日本人が作っているというだけなのに「メイドインジャパンだから高品質」とか、そういう「ホンマか嘘かわからん話」で商品価値を吊り上げることはしないという感じです。
そのことについてはもう「分かってくれる人だけ分かってくれればええわい」と半分開き直って考えてます。
もちろん価格を抑えるように知恵を絞っていきますし「お値打ち価格じゃん!」と思ってもらえる商品もご用意したいと思ってます。
けれども「良いと思うものをしっかり作りこむ」ことで多少高価なものが出来上がることもあると思います。
いずれにしても相変わらず焦らず急がずコツコツとですが、東大阪繊維研究所は今年新たな展開をしていきます。
ぜひとも、ちょっと楽しみにしておいてください。