昨シーズンから販売を始めたフレンチリネンのSAFILIN(サフィラン)に新色が加わります。
従来のカラーは28色でした。
今回は14色増えて42色になります。
当社のANTWARPEという商品が最近42色から54色に増えました。
今回のSAFILANはこのANTWARPEの以前のバージョンの42色と同じ色展開になります。
(写真はANTWARPE42色のカラーパターンです。ご参考までに。)
元々昨シーズンの途中、春夏素材の提案時期をとっくに過ぎた9月から販売を始めたので、カラーラインナップも限られた展開になっていました。
これを来期に向けてもっと充実させて、よりカラフルで使いやすいラインナップにします。
サフィランの詳しい説明については以前に投稿した記事をご参照いただけるとありがたく思います。
商品を作るときには品質とサービスという二つの軸をベースに考えるようにしています。
品質について考えるときに重視する点としては、例えば素性のしっかりした原材料を使うこと、色や撚糸のロット管理をしっかり行うこと、堅牢度や斜行などの物性的な試験を厳密に行うことなど、生産にまつわる技術的なことが中心になります。
これは仕入れ先や各加工場との緊密なやり取りや信頼関係を大切にし、問題が起きればそれを解決しということを繰り返しながら向上していきます。
基本は人間同士のやり取りなので関係を築いていくのに時間も必要ですし、時にはお互い迷惑をかけあい助け合いながらという経験を共有しないと、ただ長い時間が経過したからと言って良い方向に向くものでもありません。
もちろん最新の設備を導入したからいきなり商品の品質が向上したなんてこともなければ、特許を取得できるような発明をしたから飛躍的に技術が向上したなんてことも現在の繊維産業では非常にまれです。
なので、商品の品質を向上するということにあたっては、薄皮を何枚も何枚も張り合わせて少しずつ補強していくような作業が必要になります。
それに対してサービスという点はもう少し即効性があって、例えば受注生産だったものを在庫販売に切り替えると従来納期が3週間必要だったものが即日発送出来て大きな改善になります。
カラーも選択肢が10色しかなかったものを100色に増やせばその分顧客満足度が高まるでしょう。
その他、ウェブサイトから注文できるようにしたり糸番手のバリエーションンを何種類も増やしたり、出来ることは色々とあります。
しかし、このサービスというのはとてもお金がかかる。
単純な計算ですが、材料費3千円/kgの商品を1,000kgs在庫すると300万円必要で、それを10品番持っていれば3,000万円必要です。
それに倉庫代も必要で、商品を数キロ単位で毎日何件もの客先に発送するとなると発送のためのスタッフも必要になります。
それらにかかる費用もすべて商品のコストになるので単価に反映させなくてはいけません。
けれども手厚くサービスしているから値段は高くなりますよ、というのがなかなか理解されない。
サービスを受ける側は出来るだけ同じ価格でより高いサービスを受けたいわけです。
なので、多くの場合サービスを向上するにあたって従来の単価のままご提供することになりがちです。
しかしサービスというのは不思議なもので、それを始めた当初は非常に喜ばれるのですが、慣れてくるとそれが当たり前になってしまい、もし何かの事情でそのサービスを維持できなくなったりして元に戻すと評価が元々よりも下がったりします。
理不尽ですね。
こういったことがあるので当社としてもカラーカードの色を増やしたり商品在庫を増やしたりというのは慎重に検討したうえで進めなければいけないのです。
それでも愛着のある商品についてはもっと皆さんにお勧めしたいので、色を増やしたり在庫を増やしたりしてしまいます。
自社商品の中でのえこひいきですね(笑)。
ということで、当社一押しの商品SAFILIN 2/26NM 100%Linenのカラーが増えた新しいカラーカードを6月20日ごろから発送いたしますので、ご興味のある方は是非ご一報ください。