東大阪繊維研究所では現在2種類のモンスターオンスTシャツを作成中です。
一つはペルーコットンの超長綿を使用したコットン100%のタイプで、もう一つはリネンとコットンを両面編みしたタイプです。
今回はこのコットンリネンの生地に使っている素材についてご紹介したいと思います。
この生地はプレーティングという編み方で作られています。
プレーティング編みというのは2種類の糸をそれぞれ表と裏に分かれるように配置して1枚の生地にする編み方のことで、今回の生地は表面がリネン裏面がコットンという構成になっています。
裏面に使用しているコットンはインド産の超長綿で、本来は極細の糸を紡績するために厳選された非常に繊細なワタを使って、あえて中番手といわれる標準の太さの糸に仕立てたものです。
超長綿で紡績した中番手の糸は太さがとても均一になるので肌ざわりが柔らかで滑らかです。
自然な光沢もあるので一般的には表地に使われるクオリティの原料なんですが、今回は肌ざわりの良さを活用するために裏地に使用しています。
糸メーカーである当社ならではの贅沢すぎる使い方ですね。
表側に使われているのはリネンです。
ノルマンディ地方で収穫されるフラックス原料の中から一等亜麻と呼ばれる上質な部分だけを選んで糸にした質の高いリネンです。
原材料メーカーはフランスのテレデラン社。
テレデラン社はリネンの原料となるフラックスの加工メーカー数社が共同で運営する協同組合のような組織で、原材料の収穫から熟成、紡績前の準備加工などのスペシャリスト集団です。
糸はウェットスピニングという紡績方法で作られていて、毛羽が少なく光沢があります。
この光沢を損なわないよう当社独自の染色処方で染めていて、製品の型崩れを防ぐために糸のトルクをゼロにする「ゼロトルク」撚糸の製法で糸を仕上げています。
カラー展開4色のうち1色は黒の単一色ですが、他3色は微細な色違いの撚り杢になっていて、落ち着いた雰囲気のメランジ調になっています。
光沢があってナチュラルなトーンの一等亜麻のリネンを表地に、柔らかく肌触りの良い超長綿を裏地に配したかなり贅沢な組み合わせです。
その贅沢感を存分に味わっていただくために、生地は極厚に仕立てました。
その重さはなんと14オンス。
ここまでくるとさすがに着心地がよくないかもと思う方もおられると思います。
けれども、出来上がってきたプロトタイプサンプルを着用しても驚くほどに重さを感じません。
一般的にヘビーオンスとして売られているTシャツと違って生地が柔らかでややドレープ感のある風合いなので、ボリューム感や存在感はありながらゴワゴワすることなく楽に着ることができます。
素材のクオリティを突き詰めていくことで、超重量級のボリュームと着心地の良さを両立させることが出来るということですね。
ということで、今作っているコットンリネンモンスターオンスの素材のご紹介でした。
これから各色の製品サンプルを作成して着用の試験等を行い、最終的に製品が出来上がるのは5月後半の予定です。
お楽しみに。