先日このブログでも書きましたが、元プロラグビー選手で今は指導者として活動している南條賢太さんと一緒にラガーマンをカッコよくするTシャツを開発中です。
その最初のサンプルが出来上がったので早速南條さんに試着してもらいました。
今回のポイントは筋肉量の多い体型の人が動きやすく、かつすっきりと見えるようにデザインすることです。
東大阪繊維研究所の直営店舗は花園ラグビー場の近くにあることもあって、時折ラグビー経験者の方がご来店されます。
その方々に色々とお話を伺ってみたところ、多くの方が自分の体型に合うTシャツが少ないと感じておられることが分かりました。
分厚い胸板や肩の筋肉に合わせてサイズを選ぶと着丈が長くなってしまって足が短く見える。
大きめサイズのTシャツに生地の良いものが少なく、短期間でヨレヨレになってしまう。
肌にフィットするTシャツが着たいけど、乳首がぽこっと出たり透けたりするのが嫌。
など、いただいたご意見は様々です。
そこで今回せっかく南條さんと知り合ったことを機に、ラガーマンをカッコよく魅せるためのTシャツを作ることにしたわけです。
生地が短期間でヨレヨレになることや乳首の問題は私たちが普段から使用している厚手でしっかりした生地で容易に解決できます。
それよりも胸板や肩周りの筋肉に合わせて動きやすくかつ美しいデザインにする、ということの方が難しい課題です。
なにせ私自身が超インドア派で体には必要最低限の筋肉と不要な贅肉しかついていないため、筋肉質の体型をカッコよくするためのデザインというものが良く分からない。
東大阪繊維研究所のデザイン面をサポートしてくれているデザイナーに相談しても、彼もそのあたりの知見に乏しいという。
ならば実際に採寸させてもらおうということで、南條さんに2Lサイズのモデルになってもらって寸法を出してみました。
色々と測ってみた結果、大胸筋だけでなく首や背中の筋肉も想像していた以上に盛り上がっていたので、そのあたりの筋肉が綺麗に収まるように型紙を作りつつ、腰周りや上腕は割とタイトになるようにデザインする方向でいこうとなりました。
特に首周りについてはただ筋肉量に合わせて大きくするだけではダラッと間延びした印象になるので、ある程度タイトで綺麗に見えるようにしながらストレスなく着られるように、正円に近いラインの襟にしました。
結果的に出来上がったサンプルが南條さんの着用している最初の写真のものになります。
なかなかビシッと決まってるでしょ?
ご本人からも感想をお聞きしたところ、着心地は抜群でタイトに見える襟も全然きつく感じないとのこと。
ここからさらに微調整をしますが、まずは狙った雰囲気のサンプルが出来ました。
面白いのは、このデザインコンセプトのまま私のサイズ(M)に合わせてグレーディングすると、割とドレッシーでスッキリ見えのTシャツが出来あがったということです。
肩周りの空間をかなり広めに取ってあるのでアームホール周辺に大きなゆとりがあり、肩の縫い目もやや外側に落ちているので適度なドレープ感が出ています。
襟はかなり丸くなっていて後ろ襟への回りこみも深くなっている分、首元の露出が少し増えて首が長く見えるようになります。
その反面、襟の前下がりは少し上がり気味になるのでややタイトで綺麗目な印象になります。
肩周辺の生地面積が広いのに対して裾は絞ってあるのでボディラインが細く見えます。
丈は私たちの従来の品番よりも少し短めにしてあるので腰周りがスッキリします。
というように、マッチョボディを採寸して作った2Lサイズからシンプルにサイズダウンするだけで、普通体型の人が着ると綺麗に見えるTシャツが出来上がるわけです。
この考え方でそのままサイズダウンしていくと女性が着ても綺麗なシルエットになるはずなので、小さいサイズのサンプルを作ったら女性にも着てもらってより詳しくご紹介したいと思っています。
丸い弧を描く襟
胸肩周りの広めの生地
絞った裾
短めの丈
この4つのポイントがマッチョも女性も普通のおっさんもみんなを美しくしてくれるということですね。
次回サンプルはいよいよ本生産のカラーで作成する予定です。
出来上がりが楽しみです。