社員たちがなんか凄い糸を作ってました。

梅雨入りしましたね。

これからしばらくジトジトと湿っぽい気候が続くかと思いますが、気分だけはカラッと陽気に行きましょう。

さて、先日所用があって久しぶりに一日外出したところ、私が不在の間に一人の社員が作ったのが上の写真の糸です。

この夏当社で新たに自社製造の靴下を販売し始めることになっており、そのパッケージを結ぶためのヒモが必要ということで作ったらしいです。

素材はリネン100%、24本撚糸で9色ミックス。

24本を一度に撚るのではなく、マルチカラーで撚り合わせた糸をもう一度撚り合わせて、それを更にもう一回撚り合わせてあります。

最初は7色ミックスで持ってきたのですが、一目見て「これはいい!」と思い、ここにもう1~2色足して作り直してみて、と指示したら写真の配色で再び持って来ました。

いやはや、社員も9年目となるとこんなに凄い糸を作れるようになるものなんですね。

手前味噌になりますが、これほど複雑な構造と配色で糸を企画して完成まで持っていくのは熟練の撚糸屋さんでもなかなか難しいと思います。

それを仕事の合間にサクッと作ったというのですから素晴らしい。

そしてさらに素晴らしいのは、これを実際に編んだときに編地が曲がらないよう撚りのバランス調整をするように指示したところ、別のこれまた9年目の社員がきっちりと撚糸回数を設定して作ってきたことです。

斜行という現象については当ブログでも何度かご説明しているのでここでは割愛しますが、編地を水洗いしても歪まないようにリネンの糸を作るということ自体がなかなか難しいのに、この複雑な構造でそれを出来るということが実はかなり凄いことなんですよ。

それを社長の「調整しといて」という適当な指示だけでやってしまうというのですから、まぁみんな良く成長しておるなぁと感心するばかりです。

実際のところ梱包用のヒモにするためならば斜行する糸であってもかまいません。

けれども、こうやって撚糸回数を調整しておくことでこの糸はニット用途にも使えるようになります。

なかなかここまで太いリネンの糸を要求するお客様はおられませんが、もし何かの機会に水洗いできる極太のリネンコードが欲しいというご要望があったとき、ここまでしっかり準備をしておけばすぐにご対応可能になります。

せっかく素晴らしい糸が出来ているので、もう何色か作って手芸用の糸として販売してみようかなと思ってます。

もちろん社長の指示は「もう何色か作っといて」だけです(笑)。

それにしても、

社長が遊んでばっかりの会社だと、社員はしっかりしていくものなのですね~。

ありがたいことです。

そして更に、

最年少の社員がほぼ独力で1冊のカラーカードを仕上げておりました。

コットンウールの強撚糸です。

品番は「PISTACHIO(ピスタチオ)」、番手は1/25NM、混率は51%Wool、49%Cotton。

肌ざわりは柔らかくてサラサラ。

強撚糸なので薄手なのにシャキッとしてます。

防縮ウールを試用しているので、この商品も手洗い可能です。

こちらも、私が「このウールと綿を組み合わせて適当に配色を組んで」と指示しただけでここまで作って持って来ました。

最終的に2~3色手直しを手伝いましたが、まだ入社して3年ほどの社員がほぼ独力でカラーカードを作成できるのなら、これはもう社長やることないですわ。

よその子とゴーヤは成長が早いと博多華丸さんもおっしゃってますが、うちの社員もなかなか良いペースで伸びておりますよ。

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