商品説明でついついやってしまいがちなこと。

今回は私自身がやってしまいがちな「駄目な商品説明」のお話です。

コロナウイルスが流行し始めて以来、対面で商品プレゼンをする機会がかなり減りました。

かわりにズームやラインでのミーティングも一般的になったので、オンラインで商品説明することもあります。

けれども、生地の肌触りや発色のよさなどは、やはり実物がお客様の手元にないと情報共有が難しいです。

結局は生地サンプルに商品説明を同封して送るというケースが多くなります。

今までも商品説明をメールや紙面で送ることはよくありました。

しかし、それはプレゼンの補助的な要素が強く、ある程度商品知識のある人向けにポイントだけ箇条書きする程度のことが多いです。

これに対し、直接プレゼンをせずに文字の資料だけで商品説明する場合はそれではいけません。

単価や素材構成など売買やデザインに必要な要素はもちろん、商品の納期や在庫の有無などもお伝えする。

その上で素材自体のセールスポイントを上手く表現してモノの良さを知っていただく必要があります。

どうしても情報が過多になります

人は自分から進んで読みたいと思った文字以外をなかなか読んでくれません。

出来るだけ簡潔に素材の特徴をお伝えする必要があります。

このときに最も重要視するべきことは何か。

それは「その商品がどのようにお客様のお役に立つか」ということに尽きると思います。

その商品を使うと「どんなメリットがあるのか」ということです。

たとえば

「どんなデザインの商品を作っても売れる素材です」

だとデザイナーさんは好きなものが作れるから喜ぶでしょう。

「世界一安いリネン糸です」

とか

「いつご注文いただいても必ず即日出荷できる商品です」

だとマーチャンダイザーや生産管理の人にとって非常にわかりやすいメリットになるでしょう。

もはやそれ以外の説明はいらないかもしれません。

けれども、こんな夢のような商品は存在しないので、実際はもう少し現実に即した説明が必要になります。

そもそも私たちの本当のお客さんはアパレルメーカーさんではなく服を着る人です

その人たちにとってのメリットにならなければいけません。

これはとても難しいテーマです。

カッコよくなりたいのか、
可愛くなりたいのか、
カラフルなものが欲しい気分なのか、
落ち着いた色調を身につけたいのか、
ふわふわで柔らかな肌ざわりがいいのか、
サラサラで涼しげなものがいいのか、

着る人のどんな希望を叶える服を作るのか、そしてその目的に合う糸かどうか、ということを説明出来なければいけない。

しかも誰が読んでも分かる文章で。

なので、商品説明の入り口の部分は出来るだけわかりやすい方がいい

「モコモコふわふわの糸なので冬の可愛いニットが作れますよ!」

とか

「軽くて丈夫。スポーツをめいっぱい楽しんでもらうための素材です!」

みたいなメッセージで書けば多くの人がイメージしやすいと思います。

そうやって一旦興味をもってもらってから、必要であればさらに詳しいご説明をしていけばよいのです。

にもかかわらず、私を含めた当社スタッフたちがやってしまいがちな説明は最初からこんな感じ。

「エジプト綿の超長綿を精紡交撚しています。超長綿とは35mm以上の綿花のことでシルクのような滑らかな肌ざわりが特徴です」

超長綿って何?

精紡交撚って何?

コットン説明するのにシルクみたいって、
それやったらシルク使ってくださいでええんとちゃうの?

と色々突っ込みどころのある文章になってしまいがちなんです。

普段は糸作りの現場で働いていて専門用語を多く使いがちで、その専門用語が通じる相手とばかり話している。

するといつの間にかその用語をみんなが理解できると勘違いしてしまう

でも、これでは伝わらないんです。

対面のプレゼンならば「これは相手に通じていないな」と表情やリアクションで感じ取れるかもしれません。

けれども文章ではそれがわからない。

知らない言葉が並んだ文章では読み手の興味がそがれて、ヘタをすると最初から最後まで読み飛ばされてしまう。

そうならないためにも素材説明の入り口は出来るだけ分かりやすくしないといけない。

できれば洋服の素材なんかに全く興味がない人にも伝わるくらいの方が望ましい。

最近はこのことを社内でも良く話しています。

「当社の商品がいったいどんなお役に立つのか、どんなメリットがあるのかを最初に分かりやすくご説明していこう!」

と繰り返し話しています。

これは当の私自身の課題でもあります。

体に染み付いたクセはなかなか抜けないもので、長年培ってきた理屈っぽさが邪魔をします。

けど、すこしずつ「分かりやすく伝えられる」人にならねばと思っています。

さて、

「そういいながらこのブログやNOTEではマニアックな繊維のことばかり書いているではないか!!」

と突っ込みが入るかと思います。

そうなんです。

このブログでもNOTEでもずっと誰に向けて書いているかもわからないような、繊維の地味な話を書き続けているんです。

こんなマニアックなブログもおかげさまで一日に100人くらいの人が読んでくれる日があります。

もはや繊維関係の人だけが読んでくれているわけではないと思います。

けれどもここは商品説明の入り口ではなく、玄関をくぐった向こう側の場所だと位置づけてます。

なんならうちの工場の中を覗きに来てもらってる感覚で書いてます。

なので商品サンプルにお付けする商品説明とは別です。

内容はより専門的であるべきだと思ってます。

もちろん、専門的なことを「分かりやすく伝える」ように努力していこうと思っています。

その意味では入り口も工場の中でも同じですね。

今後もめっちゃ深掘りした内容を書いていきます。

そし
て、繊維以外のことも書きます。

特撮ヒーローのことや音楽の話なんかも相変わらず書いて行きますよ!

あ、言い忘れてた。

バンプの藤原くんが入籍しましたね!!

おめでとう!!

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