さて、早速ですが一番上の写真。
16枚の編地が当社のミーティング机に並べられています。
これ全部うちの社員1名が昨日1日で作ったサンプルで、編地はもちろん全て水洗い+アイロン仕上げまで済んでいます。
昨日の朝のミーティング時に私から試作現場の社員に対して簡単な指示を出しました。
内容はこんな感じ。
「うちのGAUSSという品番は軽さが売りなので極厚手の生地にしてこそその特徴が生きるはず。
せっかくなので多本のコードにしてローゲージ用限定の商品提案をしよう。」
「ついてはまず3本撚糸とか4本撚糸を作ってください。
それ以外は適当に他の素材と組み合わせて何か作ってください。」
これだけの指示で、本人が色々と考えて9品番16枚の編地をたったの一日で作ったんです。
この編地は今朝のミーティング時に机上に上がったものですが、実際には昨晩に全部完成していました。
繊維業界の人じゃないとこれがどれだけ大変なことか分からないと思いますが、こんなスピードで商品の試作が出来る会社はそうそうありませんし、そういう社員もなかなかいないです。
このスピード感が当社の強みで、結局会社の強みは社員の力量だと痛感します。
さて、
出来上がった商品はどれもこれも素晴らしいです。
番手はだいたい毛番手の1/4nmから1/6nmくらい。
5ゲージで1本取り、3ゲージで2本取りくらいに入る感じにしてあります。
コットン100%をはじめとして、コットンリネン、コットンシルク、コットンアルパカなどコットン80%くらいをベースにした異素材との組み合わせもあり、どれもこれもがサラッとした肌ざわりで軽く仕上がっています。
軽さの秘訣は樹脂加工。
糸に張りが出るのでニットのループ形状がキープされて生地にボリュームが出る。
結果的に製品は軽く仕上がる、ということです。
最近でこそ急に寒くなりましたが相変わらず日本は猛暑暖冬の傾向にあり、10月ごろまでTシャツ1枚でも十分過ごせる気候だったりします。
ちなみに東大阪繊維研究所ではスウェットよりも軽くて重ね着も出来るし1枚着でも十分過ごせるという理由で、秋口に極厚で超ヘヴィオンスのTシャツをご提案していく予定です。
それに対してニットセーターのご提案としてちょうどいいものは何かと考えたときに、結局はコットン素材を初冬まで着れたら色々と便利で快適だろうと考えました。
けれどもただ分厚いコットンだと重くて快適ではない。
分厚くても軽さがなければいけない。
ということで、軽さに強みのある自社品番「GAUSS」を太番手にアレンジするという考えに至りました。
出来上がった生地はどれも予想通りボリュームがあって軽く仕上がってます。
特にコットンリネンやコットンアルパカなど、くたっとしてダレ感の出やすい素材も樹脂加工のコットンをあわせることでハリのある風合いになって弱点が解消されています。
コットンリネンはやや光沢があって滑らかな肌ざわりでボリュームが合って軽い。
コットンアルパカはサラッとしているのに柔らかでボリュームがあって軽い。
上出来です。
晴、秋、初冬あたりのシーズンで活躍しそうなシリーズです。
特にニット業界関係でご興味のある方々はぜひお問合せください。
よろしくお願いします!