当社ではサフィラン社のフレンチリネンを取り扱っています。
サフィラン社はフランス革命の約10年前、1778年に設立された由緒あるリネンメーカーで、ピュアフレンチリネンを提供できる数少ない紡績会社です。
当社ではサフィラン社の糸をかれこれ10数年前からずっと受注生産に限って取り扱ってまいりました。
それをこの度、28色のカラーバリエーションでのストックサービスを開始することにいたしました。
これまでストック販売を行っていなかったのは価格の問題があったからです。
ヨーロッパ製のリネンは中国製のものよりも高価格なため競争力でやや劣ります。
もちろんフレンチリネンであることの付加価値は非常に高く、何よりもサフィラン社が200年以上にわたって磨き上げてきた技術と伝統は今も受け継がれていて、糸の完成度や品質の安定性については他社製品よりも頭ひとつ抜けていると考えています。
しかし以前別の記事でも書いたとおり、フレンチリネンと謳われている中国製の廉価なものが市場に出回っていて、顧客の皆様もそのあたりをあまり神経質に区別していない現状があり、なかなかサフィラン社の糸の価値をうまく伝えることが出来ずにいました。
一度使っていただいたお客様には高い確率で気に入っていただき、リピーターになっていただけることも多いです。
けれども多くの場合、競合他社よりも値段が高い為に企画から除外されてしまいます。
このサフィラン社の糸の魅力をどうやって伝えていこうかずいぶん長い間考えた末に、基本的なことを見落としていることに気がつきました。
自分自身がこの糸を受注生産でしか販売していないということ、つまりはリスクを背負っていないということです。
本当にこの糸に惚れ込んで売っていきたいならば、まず自分が原糸を購入して自分たちが綺麗だと思う色をつけて、良い仕上がりのサンプルを作らないことには多くの人に届かないのだと思います。
商品プレゼンの時に「この糸は凄く良いんですけど、ちょっと高いんですよね」とおどけている場合じゃない。「これは値段は高いですけど、めちゃくちゃ良いものですよ」と伝えなきゃいけない。
そのために自分たちがそれをストックしそのリスクを背負うことでその説得力も増すのではないかと思っております。
これから準備を始めて、糸が全色出揃うのは8月後半の予定なので、9月からストックサービスをスタートしたいと思っています。
正真正銘のフレンチリネンを触ってみてください。