タイトルの通り当社に新しい小型のワインダーがやってきました。
当社はほとんどのサンプル糸を自社の設備で作っております。
ものづくりの現場では日々の作業時に感じる不便さや効率の悪さをいかに改善するかというのは大事な課題です。
段取りを整えるもしくは作業手順を見直すということで解決することもあれば、手持ちの機械に少しずつ改良を加えたり部品を取り付けたりで解決することもあります。
けれども会社の商品バリエーションが増えたり取引先の業種が増えると、どうしても既存の設備だけではまかなえなくなることがあります。
そんな時には新しい機械の導入に踏み切ることになります。
当社の場合、私を含めて社員全員が機械の運転を行い糸の試作作業に携わるので、新しい機械を導入する場合は全員で何度もミーティングを行って欲しいスペックを話し合います。
ミーティングとは名ばかりの飲み会になる場合も多いですが、何時間もお酒を飲んでワイワイ騒いだ挙句帰り間際の30分くらいで斬新なアイデアが飛び出すこともあるので、ともかくみんなで何度も話し合います。
社員は予算のことを考えないで好き勝手なことを言うため、全ての要素を盛り込むと非現実的なコストになってしまう場合が多いですが、夢のマシンを想像する時間はなかなか楽しいものです。
時には機械メーカーさんを交えてみんなで食事をしながらあれが欲しいこれが欲しいと盛り上がる時もあり、メーカーさんにも作りたい機械や搭載したい機能があって、それら全ての要素が盛り込まれた夢のマシンはみんなの想像の世界で誇大妄想的に全能な機械として育っていきます。
そうやってさんざん盛り上がった後は予算に照らし合わせて色々な要素を削っていく訳ですが、それでも絶対に必要な機能が見えてきて最終的なスペックが固まっていきます。
今回新しく導入されたワインダーはそういった欲しい機能が満載の満足度の高いものになりました。
当社の商品ラインナップは天然繊維が中心なので加工時にワタ埃がたくさん出ます。またカラフルな色に染めた糸を何色も扱うのでそのワタ埃の色も多様になります。
そんな埃が色んなパーツに詰まったり絡まって別の糸に付着すると不良品発生の原因になったりします。
今回の機械はその埃が一番たまりやすい箇所をエアーで吹いて掃除しながら加工できるようになっています。フィルターを自分で掃除するエアコンのような感じでしょうか。
また、従来のワインダーの1.5倍程度のスピードで巻取りが出来るようにハイスペックなモーターを搭載しました。見る見るうちに糸が巻き上がっていきます。
糸の長さを1m単位で調整できるようデジタルカウンターで長さを計りながら巻き取ることも出来ます。
丸編みと呼ばれる生地を編むためには何十本もの糸を同じ長さに揃えて巻く必要がありますが、このワインダーがあればそれがかなり高い精度で可能になります。
特に小ロットの試作において抜群に効果を発揮しますので、新しく始めたTシャツブランドのための試作にかなり活躍してくれそうです。
他にも色々とあるんですが、繊維関係の業者の人以外には何がなんだかよく分からないと思うのでこれ以上は辞めときますね。
自分の文章を読み返してみて何を言いたいのかよく分からないものになっているなと思いましたが、つまりは新しい機械がやってきてテンションがあがっているということです。
新しい機械が増えるのは家族が増えるような気分で、しかもその新入りがなかなか頼もしげなやつなのでちょっと嬉しくなって「これは自慢しよう!」となった訳です。あしからず。