新商品はコットンリネンのビンテージ風素材です。

私事ですが、先日8/1に長男が誕生し、昨日8/6に15年一緒に過ごしたワンコが亡くなりました。

出会いと別れが一時に集中したことで我ながら少しパニックになってしまいましたが、こんな時こそお仕事に集中ということでまたブログを更新したいと思います。

今作っている新しい商品のご紹介。

新しい商品といっても今回は従来からある商品のカラーをリニューアルする作業が中心です。

当社でストックしているリネン糸をベースに、綿のコーマ糸を組み合わせてビンテージ風の色を表現しています。

リネンはフランスのノルマンディ地方原産のフラックスを使用した潤紡績糸です。一等亜麻と呼ばれる上質な原料だけを使っているので毛羽が少なく光沢があって、ナチュラルテイストなのにカジュアルになり過ぎないバランスが絶妙な素材です。

このリネンに綿コーマ糸を2本撚り合わせて、ソフトな手ざわりをプラスしてあげるとともに多彩なカラーをミックスして色に奥行きを出していきます。

3本の糸を自由に組み合わせることでかなり多彩な表現が可能になりますが、沢山の選択肢の中から今回はビンテージ風のカラーコンビネーションを組んでいくことにしました。

リネン糸は形状にムラが有りベタ色に染まりきらないという特徴があるので、それを生かして色落ち風もしくはユーズド風といった感じの色を作ります。

色落ちというとデニム素材をイメージする方も多いかと思いますので、ネイビーからペールブルーへの青系統の色は少し多めに作成しました。

デニム素材はインディゴ染料で染めた糸と生成り糸の交織によってできているので、ネイビーと生成りの両方の色の要素を取り入れるように配色します。

インディゴ染料は色落ちしていく過程で生成りの方に移染するので、ネイビー系統の色に対して白に見えるけどよく見たらブルーなのかな?というような色をうまく組み合わせていくのがコツです。それと色が抜けた後の生成りの色目とのバランスも重要です。

デニム系のカラー以外にもビンテージを表現する色としてストーンウォッシュのような発色や、軍服のような過酷な環境で着用されるものの色落ちや汚れのイメージなど、ビンテージという言葉から連想される色んなものや情景を浮かべながら色を配色していきます。

元々子供のころから模型製作が趣味で、ガンプラや田宮の1/35シリーズ、ウォーターラインや航空機などいろんなものにチャレンジしてきました。

模型製作において出来上がった模型をリアルに見せるテクニックの一つにウェザリングというものがあり、これは簡単に言うと汚れや傷みなどの使用感を表現する技術です。

戦車であれば土の地面を走行したあとのキャタピラの汚れや塗装の磨耗、銃弾の着弾による焦げ付きなどもあります。航空機ならエンジンの煤汚れとか。

まずは普通に塗装した戦車の模型を作り、仕上げに磨耗で色が退色したような塗装を新たに施す作業。

下地の金属色の上にグリーンを塗りそれをはがせば金属色が露出するというのがリアルな色落ちだとすると、模型のウェザリングではグリーンの上から色落ちに見えるように部分的に金属色を塗装する。

ガンプラにいたっては元々非現実な世界のものにリアリティを与えるために塗装するので、イマジネーションと創意工夫をフル動員して着色仕上げしていきます。

こういった子供時代からのいろんなアイデアの蓄積が、今回のようなビンテージカラーを新たに作り出すというような作業で生きているんじゃなかろうかと思っています。

遊び心も多少込めて作った新しい品番「BLUE NOTE Vintage」、番手は1/15NM、混率は59%Cotton41%Linenです。

ご興味のある方にはお盆休み明けからカラーブックを発送いたしますよ!

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