東大阪繊維研究所として初のセーターを発売いたしました!

ついにセーターを発売してしまいました!

「してしまいました」というのも変ですが、実際にこれまでセーターを作るのをためらってきたので、ついに手を出しちゃったなという気分です。

なぜかというと、東大阪繊維研究所を運営している私たちはもともとニットセーター用の糸を主力商品としている糸屋だからです。

創業以来ずっと出来る限り質の高いニット糸をご提供したいと思い研鑽を積んできた自負があるので、いざ自分たちがセーターを作るとなると生半可なものにしたくないという気負いがありました。

もちろんTシャツ作りもニット糸と同じくらい気合を入れて取り組んでいます。

しかしながらニットの糸屋としての歴が長いせいか、いざセーターを作るとなると「誰でも作れるような普通の糸で作りたくない!」という気持ちが強くなってしまうのです。

そんなわけでなかなか手を出さなかったセーターの分野なのですが、いよいよ作っちゃいました。

これです。

HOFI-038 コットンウールセーター
カラー:アイボリー、エボニー、ネイビー、グリーン
サイズ:M,L,2L
価格:税込¥28,600

オーガニックコットンの超長綿(DCH)とエクストラファインメリノの防縮ウールをコード撚りにした糸を使用しています。

コットンはうちの定番Tシャツと同じ糸をベースにしていて、ウールは19.5マイクロンの防縮ウールなので適度に張りがあって肌もチクチクしないものを選んでいます。

オーガニックの超長綿と19.5マイクロンの防縮ウールがそれぞれかなり良い糸ではあるのですが、それをそのまま使ってしまうようでは面白くない。

今回の糸にはとりわけ手の込んだ撚糸の加工を施してます。

まず最初にコットンの糸を3本撚り合わせてゼロトルクに撚糸します。

ウールは2本撚り合わせて同じくゼロトルクに撚糸します。

コットンとウールは糸の太さが違うので、それぞれ撚糸する本数を替えて大体同じ太さになるようにしてあります。

それらを近似色になるように個別に染めておいてから撚り合わせます。

ゼロトルクになっている糸を撚糸するとトルクが新たに発生します。

この新たに生まれたトルクを利用してさらに撚り合わせて、この時に再びゼロトルクに撚糸することで糸を安定させています。

コットンとウールをそれぞれ最初にゼロトルクにして素材の柔らかさを引き出し、その後それらを複数本撚り合わせて再びゼロトルクにすることでさらにふくらみを増すという方法で今回の糸を作りました。

結果的にめちゃくちゃボリューム感があるのに柔らかで肌なじみの良い生地に仕上がっています。

また微妙に色合いの違うコットンとウールを何本も撚り合わせることで、色の深みを表現しています。

それと、糸を沢山束ねるほどトータルの均一性が増すので、肌触りが滑らかになって光沢も出ます。

今回の糸をコンパクトに説明すると「綺麗な艶があって柔らかくてふくらみのある素材感」ということになるでしょうか。

デザイン面についてもかなりいろんなアイデアが詰まってます。

まずシンプルに見せるということ。

平置きの写真を見ていただくと両脇にリブや鹿の子の編み柄が入っていてなかなかポップな雰囲気なんですが、着用したところを正面から見るとそこが目立たず落ち着いた雰囲気を感じさせます。

もちろんこれはそう見えるように意図的に絶妙な位置に柄をもってきたデザインにしてあります。

遊び心のある大人のニットという感じでカッコよくないですか?

面白いのはこのニットを小柄な男性や女性が着ると肩の柄位置が外側に少しずれて、袖の上端部分に柄が入ったデザインになります。

ご夫婦でシェアして着てもらったりというのも楽しいかもですね。

襟にはうちのTシャツと同じように1本のタックラインが施されています。

両肩から身頃に走っているリブ網の柄がそのまま裾のリブに繋がっているのもひそかなおしゃれポイントだったりします。

ということで、ちょっとしたギミック含めてかなり入れ込んで作った渾身のセーターです。

この冬のお供にぜひどうぞ。

よろしくお願いします!

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