先日見に行ったものづくり展でとあるプリントメーカーさんとお知り合いになりました。
そちらの会社では企業向けにキャラ物がプリントされた衣料品を納品しているらしく、そのノウハウを生かして衣料品のプリントを受注すべく展示会に出展されていました。
こういった展示会に足を運ぶに当たっては「何か新しいものが無いだろうか」という目線で伺っているので、出展されている方の説明にもちゃんと興味を持って聴く場合が多いです。
このプリントメーカーさんのブースでも技術的にどこが他社と違っているのか、どのくらいのロットで出来るのか、根掘り葉掘り聞いていろいろと資料を見せていただきました。
その後、なかなか面白いものが出来るかもと思うに至ったので、その会社に赴いてこちらのアイデアを元に試作をしていただきました。
試作の出来がなかなか良かったので今週の東京出張ではそれを何人かのお客様に見てもらい、プリントメーカーさんからお聞きしたセールスポイントなどもちょこっと説明して来ました。
そんな中、そのサンプルを見てくれたあるお客様から「これってすごく良いけど、もともとは某和歌山の大手機械メーカーのノウハウなんだよね」といったようなことを言われてハッとしました。
そうだ、確かに言われてみればこの技術についてはかなり以前にその和歌山のメーカーの営業の方から詳しく話を聞いたことがあったんだと。
そのメーカーさんは自社にアパレル部門も持っていて、そのときは当社の糸を売り込むために伺っていました。
こちらのプレゼンが一通り終わった後、お互い時間があったので先方の社内見学をさせていただきながら最新の技術について色々と教えていただきました。
ふむふむなるほどと適度に体の良いリアクションをしながら話は聞いていましたが、こちらとしては自分のプレゼンがすっかり終わり人心地ついていたため話半分、上の空の心持で聞いていたんだと思います。
言ってしまえば聞き流していたわけですね。
その機械が最新技術をふんだんに取り入れたすばらしいものだったことはなんとなく覚えていました。
結果的に「大手の機械メーカーさんは贅沢な開発資金があって羨ましいな」というような感想だけを抱いて帰ったように思います。
それから何年もたってその技術がある程度一般化してきた結果、機械も小型化されて小ロット化されてといった経緯をたどり、先日のものづくり展で再びそのノウハウやメリットについて詳しく伺うことになるわけです。
和歌山でその機械を見せていただいた当時も、何か新しい技術があれば取り入れてみたいと思いながら仕事をしていたつもりではあります。
けれども、そのときの私はその知識や情報をまったく吸収することなくスルーしてしまっていました。
けれども今回は頭をスポンジのようにして、何か新しいものや情報があれば吸収して帰りたいと思っていたのでキャッチできたわけです。
新しい情報に対して頭を常にオープンにしておく、これはとても大事なことなんだろうなとしみじみ思いました。
偏見や拘泥を持たないように誰かの話を聞くこと、人の話を自分の中で勝手に自分なりに解釈しないこと、知ったかぶりして新しい情報を遮断してしまわないことなんかもこれに通じることなのかなと思います。
今週はプリントメーカーさんと新しい商品を作ってすごくテンションがあがっていたのですが、それと同時に色々と気を引き締めなおさんといかんなと思う一週間でした。