ZOZOTOWNが最新のテクノロジーを搭載したZOZOスーツなるものを配布して顧客の囲い込みを始めました。
着用したら瞬時に体の各パーツのサイズが分かるという機能を備えたこのスーツは無料で配布されるらしいです。
今のところ何ヶ月か待たないと手に入らないらしいですね。
昨今オーバーサイズでTシャツを着るブームがあるように思いますが、体のサイズに対してどのくらいオーバーサイズだとかっこよく見えるのかとか、そういうことも教えてくれるのでしょうか。
いずれにせよ、これは今までどのアパレル企業もやったことがない取り組みなので、外野ではみんなが賛否両論繰り広げているようです。
個人的には自分はそもそも今よりもっと痩せないと何を着てもかっこ良く見えないと思っているので、今のサイズにぴったりのものを選んでもらってもあんまり意味はないのかなと思ってます。
この点については先日たまたまグーグルで「ファッション 意味ない」というキーワードで検索してみてやっぱりなと思うことがあったので、改めて痩せようと強く思いました。
そういえば「ファッション 意味不明」というキーワードで出てきた記事もなかなか面白かったので、ご興味のある方は一度検索してみてください。
さて、何のお話かといいますとZOZOスーツのようなおそらく何億円もかけたであろう開発と違って、われわれの商品開発はもっと小規模で地味です。
糸を少しでも綺麗に編みやすく仕上げたい。
そのために糸巻き機をちょっと工夫してみたらどうだろうか。
ためしにワックスプレートを一個増やして一度の巻取りで2回蝋引きしてみたらどうだろうか。
じゃあやってみよう。
ということで簡易のワックスプレートを設置します。
どうです?すごく簡易でしょ。
お菓子の紙箱を裏返してそこに糸ガイドとワックスプレートを取り付ける。
これを糸巻き機の直前に設置する。
糸巻き機にはもともとワックスプレートがあるので、この方法で2回蝋引きしながら糸を巻くことが出来るわけです。
紙箱は加工がやりやすく、糸ガイドの位置を少し変えたいときにもポンチや千枚通しで穴を開けてナットで固定するだけなので5分もあれば加工可能です。
この糸ガイドの位置決めは案外重要です。
回転するワックスの遠心力で糸が脱落することがないよう糸ガイドにはベストな配置があり、それは糸の巻きスピードや入射角によって変化するので、自社の平均的な糸に一番フィットする設定にする必要があります。
この微調整を含めていろんな加工を機械メーカーの人に依頼するとなると、何度も修正する度にコストや時間がかなり掛かってしまいます。
なので、簡易でも自分たちである程度ベースとなるモデルを作ってしまうほうが完成が早いのです。
何せこの方法ならばパーツさえあればコストはタダですからね。
ちなみに当社には編み機もありますので、こうやって新しい設備で試作した糸をすぐに試験できます。
紙箱の加工開始から糸の編み立て試験まで都合で3時間もあれば終わります。
ある程度良いデータが得られれば、機械メーカーさんに依頼して取り外し可能な増設用ワックスプレートを作成してもらうことになります。
このときに我々お手製の簡易プレートを見せれば彼らも作るべきもののイメージを簡単に描けるし、それをブラッシュアップしてもっと良いものに仕上げてくれるわけです。
我々のような零細企業は何でもかんでもお金で解決というわけには行かないので、知恵とアイデアで勝負です。